*LUNCH TRIP とは*

2か月に一回、ランチしながら旅しちゃおう!
都内の異国料理レストランを巡って、その国にいったことのある方のガイドでその国に思いをはせ、ちょっとだけ詳しくなります☆
「旅という非日常は、日常を変えられる!」と信じるCrew:ami,なぁほ,きょうこ,まさが、Passengerたちの素敵な旅をお手伝いします。

"Lunch Trip" is a social lunch group to enjoy many different cuisines in Tokyo. We travel around the world by having lunch and sharing stories of someone who has been there. Ami,Naho,Kyoko as Lunch Trip Crew would like you passengers to enjoy great trip.
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2013年4月23日火曜日

シリア便-新しい国際協力と3人の素敵なお姉さんたち-


考古学、旅、国際協力、食、IT、文化、美容。並べると世の中の事象の8割は網羅するかと思われるくらい充実した「フライト」だった。でも僕たちが頑張らなくちゃいけないのはこれからで、シリアの人たちと何を創り出していけるのか、紛争が続く限り、WorldLinkは常に問われることになる。

LunchTrip とWorldLinkの団体紹介の後、ジャーナリストの根本かおるさんが日本の難民支援の現状について話した。「難民の平均的な海外避難の年数は17 年」。2,3年と思っていたので、大きな衝撃だった。エスニックなランチのいい香りがしている中なんだか大変なイベントだな、と不思議に思う参加者も少なくなかっただろう。適度な緊張感のもと、ランチタイムとなる。メニューはマクルーベ(ヨルダン大使お墨付きでシリアで も食べられている鶏肉の炊き込みごはん)、フムス(シリアやアラビア諸国で食べられるひよこ豆のディップ)、フェダチーズを使ったトルコ風サラダ、トルコ風ラム肉のトマト煮、ヨルダン風チキンバーベキュー。香辛料のかおりもお米の触感も本格的で美味だった。その国のことを学びながら、話しながらのランチは本当に贅沢だと思う。

ランチが終わると考古学者の山崎やよいさんの講演。「無茶ぶり」と山崎さんは言ったが、本当に最初から最後までその通りだったと思う。NHKに出演していたことを友人から聞き、Facebookでメッセージを送った。不躾な突然のメッセージにもかかわらず、快諾してくれた。すると今度は、数万年の歴史を20分で話せと言われる。本当に頭が上がらない話だが、壮大な歴史の中から今シリアで起こっていることを捉える講演は、人類の営みを再考し、生きることを考えさせられる内容となった。
次はイスタンブールから、Skypeでモハマド君の話を聞く。知りあったのは、旅先でのホストを見つけるSNS、Couchsurfingを通じてであっ た。Couchsurfingのアレッポのエリアに「みんな大丈夫?必要なものあれば言ってね。」という僕のポストに対し、モハマド君は「今トルコに避難 していて、奨学金か、仕事か、それが難しければ祈ってくれるだけでも嬉しいよ、本当にありがとう」と返事をくれた。そうしたニーズを知れたのも驚きで、なおかつ世界の裏側で起きている紛争地にこんなにも簡単にアクセスできる事実に改めて驚いた。これは何とかせねばと思い、熱い仲間、WorldLink創設 メンバーのIT企業での雇用が決まり、このモデルを世界中で広げたいと思い、ICTを活用した国際協力を目指すWorldLinkが誕生した。

最初、Skypeが繋がらないというトラブルに見舞われたが、アミさん、ナホさんの絶妙なサポートにより、会場のシリア学生の話を聞くことができた。祖国の状況に加え日本での大変な生活にもかかわらず「なんくるないさ」の精神で乗り切っていると応える彼の姿勢に、勇気と希望をもらった人も少なくないだろう。 Skypeがようやく繋がり、モハマド君は、トルコまで行きついた経緯や、イスタンブールでの生活の大変さ、シリアの同胞の現状などを話した。

質疑応答では、なぜ紛争が起こったのか、なぜ難民申請しないのかといった質問や、具体的なビジネスのアイディアまでが飛び出し、熱のこもった時間となった。後日談となるが、僕もモハマド君も、紛争の内容に踏み込む、政治的な話題になることをとても恐れていた。党派が乱立するシリアでは、解釈の違いにより大きな 論争となりかねないからである。同じく国連職員の前で「トルコのUNHCRにあしらわれひどく絶望した」と国連批判をするモハマド君にもはらはらしたが、それも後で根本さんが「トルコでは政府の力が強く、UNの権限が弱い故の身動きが取れない職員の冷淡に見える対応の表れだろう」と説明してくれ、モハマド君にも伝えることができて良かったと思っている。
ワークショップでは、「もしあなたが、シリアから他の国に避難している立場だとすれば、SNS、Skypeなどイ ンターネットを使って、東京の人達とどんなことがしたいと思いますか??」と題して、前向きな創造的な機会となることを目指した。思えばワークショップのテーマから全体の構成まで、LunchTripとの調整は勉強になることばかりだった。キョウコさんは新居の食卓のように綺麗に整理されたメニューを並べる。そこにアミさんが鋭くかつクリエイティブな意見を投げかける。どうなるものかとどきどきしていると、絶妙なタイミングでナホさんがすらっとロジカルな解を提示し、三人がまとまる。そしてうまい具合に良い所が盛り込まれた作品出来上がる。いつも見事だと思っていた。


そうした調整のかいあって、ワークショップでは「シリア料理三分クッキング」を始め、極めて実践的かつ創造的なアイディアが提示され、プロジェクトの今後に多くの着想を得ることができた。最後に国連 UNHCR協会の滝澤代表理事よりICTを活かした国際協力への期待のメッセージを、日本シリア親善協会の佐藤会長にはシリアとの友好へ向けたメッセージとエールをいただき、2:30に及ぶ旅は終盤を迎えた。80人の大所帯で集合写真を撮り、キョウコさんの誕生日を皆で祝い、最後まで魅力が尽きないLunchTripのマジックにはいつも感動させられる。フルコースな学びと、アレッポの石鹸株式会社様からいただいたオーガニックな石鹸により、心身ともにつやつやになってもらえたことを願うばかりである。

僕たちのゴールは、国際協力に対するイメージを変えることだ。難民の人たちは、根本さんも言うとおり「非力で可哀相な人たち」という像に必ずしも当てはまるわけではない。スキルやエネルギーに溢れた人たちも多く、僕たちはせめて機会の面だけでもそういった人たちをサポートしていきたいと思っており、結果として色んなシリアの人への恩恵が波及すればいいと思っている。そのためにも、楽しく、 美味しく、創造的に、極めて前向きな姿勢で問題に向き合いたい。だからLunchTripさんと一緒にイベントしたかったのであり、そして本当に一緒にやってこれて良かったと思っている。素敵な3人に、改めてありがとうを言いたい。

おじいさんになっても、おばあさんになっても、一緒に楽しいイベントをしていきましょう。



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